MBAの取得を目指すうえで、どの大学院を選べば良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。

MBAの国際認証を取得している大学院であれば、国際的な水準を満たした教育を受けられます。

本コラムでは、MBAの国際認証について詳しく解説します。

日本国内でAACSB・EFMD・AMBAのトリプルクラウンを取得している大学院も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

国際認証とは？代表的な国際認証機関は？

MBAの国際認証とは、国際的な第三者機関が設定した評価基準を満たすMBAプログラムに付与される認証のことです。

代表的な国際認証機関は、AACSB、EFMD、AMBAの3つ。

以下では、3つの国際認証機関について詳しく解説します。

AACSB

AACSB（The Association to Advance Collegiate Schools of Business）は、1916年にアメリカで設立された国際認証機関です。

世界のビジネススクールのうち、約5%がAACSBの認証を受けています。

ハーバード大学やスタンフォード大学などの世界的な名門校もAACSBの認証を受けており、権威性が高い認証機関であるといえるでしょう。

AACSBには15個の評価基準があり、特に戦略マネジメントや学習成果に関する項目が重視されます。

また、AACSBの認定には期限があるため、認証を受けたスクールは5年ごとの実地審査をクリアしなければなりません。

さらに、AACSBの評価基準は定期的に改定されるほか、教員の質やカリキュラム、研究成果といった幅広い項目が評価対象となります。

EFMD

EFMD（European Foundation for Management Development）は、ベルギーで1972年に設立された国際認証機関です。

EFMDの特徴は、マネジメント教育に特化していることです。

また、各評価基準における戦略や方針なども評価の指標となります。

認証は5年認証と3年認証に分かれており、それぞれ更新が必要です。

加えて、EFMDは「EQUIS」と「EFMD Accredited MBA」（旧：EPAS）の2種類に分かれています。

EFMDによる基準を満たした研究科には、EQUISが与えられます。

一方で、EFMD Accredited MBAはEQUISよりも範囲が狭く、基準を満たしたプログラムに対して付与される点に注意が必要です。

このような認証範囲の違いから、「MBAの3大国際認証」とは一般的にEQUISを指します。

AMBA

AMBA（the Association of MBAs）は、イギリスで1967年に設立された国際認証機関です。

日本では「MBA協会」とも呼ばれており、世界で260を超えるビジネススクールがAMBAの認定を受けています。

AMBAの特徴は、MBAプログラムによる学習成果が評価されることです。

また、AMBAには10の評価基準があり、社会人プログラムの有無に加え、学習時間や教員との接触時間、卒業生への支援なども審査の対象となります。

AMBAではカリキュラムの内容についても詳細な審査が行われるため、比較的審査が厳しい認証機関であるといえるでしょう。

国際認証を取得している国内MBA一覧

AACSB、EFMD、AMBAの国際認証を取得している国内MBAは、以下のとおりです。

国際認証	大学院名	認証取得時期
AACSB	慶應義塾大学	2000年
	名古屋商科大学	2006年
	立命館アジア太平洋大学	2016年
	国際大学	2018年
	早稲田大学	2020年
	一橋大学	2021年
	立教大学	2024年
EQUIS	早稲田大学	2019年
	名古屋商科大学	2021年
	京都大学	2023年
EFMD Accredited MBA	明治大学	2018年
	青山学院大学	2022年
AMBA	名古屋商科大学	2009年
	立命館アジア太平洋大学	2020年
	中央大学ビジネススクール	2022年
	同志社ビジネススクール	2023年

 

国際認証を取得しているビジネススクールに通うメリットは？ 

国際認証を取得しているビジネススクールに通う主なメリットは、以下の3つです。

• 質の高い環境で学べる
• 海外のビジネススクールと連携が取りやすい
• 就職や転職が有利に進みやすい

質の高い環境で学べる

国際認証を取得したビジネススクールに通う最大のメリットは、質の高い環境で学べることです。

国際認証を取得しているビジネススクールは、認証機関による厳格な審査をクリアしています。

審査の内容は定期的に更新され、認証を継続するためには常にプログラムの改善が必要です。

そのため、国際認証を取得したビジネススクールには最新の教育プログラムや指導体制が整っており、教育の質が保証されていると考えられるでしょう。

また、国際認証を取得したビジネススクールには、世界中から優秀な人材が集まりやすくなります。

多様な留学生と共に学ぶことで授業の質が向上し、レベルの高い環境で学習できるでしょう。

海外のビジネススクールと連携が取りやすい

海外のビジネススクールと連携を取りやすいことも、国際認証を取得したビジネススクールに通うメリットのひとつです。

国際認証を取得したビジネススクールは同じ認証をもつ海外のスクールと共通の基準を満たしているため、スムーズな連携が可能です。

また、海外のスクールとのネットワークをもつビジネススクールも多く見受けられます。

交換留学によって他国の学生と交流できれば、幅広い人脈を形成できるでしょう。

さらに、ほかのビジネススクールの授業を受けたり、他国のビジネス環境に触れたりと、幅広い学習の機会を得られます。

就職や転職が有利に進みやすい

国際認証を取得したビジネススクールに通えば、就職や転職が有利に働くでしょう。

国際認証を受けているビジネススクールは知名度が高いため、企業から評価されやすくなります。

国際認証を受けたプログラムを修了することで、客観的な知識を証明できるでしょう。

さらに、認証校は世界的にも評価が高いため、海外でのキャリアを目指す際にもメリットがあります。

国際認証を取得している日本のオンラインMBAはある？

日本国内には、国際認証を取得しているオンラインMBAは存在しません。

そのため、国際認証を取得している国内MBAで学びたい場合は、通学が必須となります。

一方で、海外には国際認証を取得したオンラインMBAが複数存在します。

オンラインMBAを利用すれば、日本にいながら海外のMBAを取得することも可能です。

国際認証を取得したMBAに進学したい場合は、海外のオンラインプログラムも選択肢のひとつとして検討するとよいでしょう。

国内にトリプルクラウン校はある？

トリプルクラウン校とは、AACSB・AMBA・EQUISの3つの国際認証をすべて取得しているビジネススクールのことです。

トリプルクラウンをもつビジネススクールは、国際的にも高い評価を受けています。

日本国内で唯一のトリプルクラウン校は、名古屋商科大学ビジネススクールです。

一方で、トリプルクラウン校ではないものの、2つの国際認証を取得しているビジネススクールもあります。

立命館アジア太平洋大学（APU）と早稲田大学大学院（WBS）は、それぞれAACSBとAMBAの両方を取得しています。

まとめ

本コラムでは、MBAの国際認証について解説しました。

代表的なMBAの国際認証機関はAACSB・EFMD・AMBAの3つであり、それぞれの評価基準を満たすMBAプログラムには、国際認証が付与されます。

国際認証を取得しているビジネススクールへ進学すれば、質の高い環境で学習でき、スムーズに交換留学を行えるでしょう。

また、認証校は知名度が高いため、就職・転職で企業からの評価を得られやすくなります。

MBA取得を検討している方は、国際認証を取得しているビジネススクールを目指してみてはいかがでしょうか。