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行政書士は廃業しやすい?失敗の原因と成功する行政書士の特徴5つ

基本情報

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行政書士に興味があり独立を検討している人の中には、「行政書士は廃業率が高い」と聞いて不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

行政書士の廃業率は3%程度です。

中小企業庁が発表している、令和2年度の日本の廃業率が3.3%であることを考えると、「特別高いわけではない」ことがわかるでしょう。

ただし、資金不足や集客できないといった理由から、廃業に追い込まれてしまうケースがあることも事実です。

当コラムでは、行政書士の廃業についてや失敗の原因、成功する行政書士の特徴を解説します。

コラムを最後まで読み、ぜひ「廃業しない行政書士」を目指してください。

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行政書士の「廃業」とは?廃業率は高い?

「行政書士が廃業する」とは、行政書士としての登録を抹消し、事務所をたたむことです。

つまり、行政書士を辞めるということです。

ここでは、行政書士の廃業率について解説します。

行政書士の廃業率

行政書士の廃業率は3%程度です。

総務省が公表しているデータ「行政書士の登録状況」では、以下のような結果が出ています。

令和4年度当初の登録者数 50,286人
令和4年度の廃業届提出者数 1,592人
廃業率 3.1%
参考:行政書士の登録状況(令和4年度)|総務省

「行政書士の廃業率は高い」「90%の行政書士が3年以内に廃業する」といった噂を聞き、行政書士=廃業しやすいというイメージをもっている人も多いかもしれません。

しかし中小企業庁によると、令和2年度の日本の廃業率は3.3%です。

以上のデータを比較すると、行政書士が特別廃業しやすいわけではないことがわかります

なお、上記の「廃業届提出者数」とは、廃業届を提出して廃業した行政書士の数です。

亡くなった人や登録取消処分を受けた人、登録抹消された人は含まれていません。

行政書士廃業にありがちな原因

行政書士が廃業する原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、行政書士の廃業にありがちな原因について解説します。

資金不足

単純に、資金不足で廃業に追い込まれてしまうケースは珍しくありません。

「開業後いくらかかるのか」という重要なポイントを甘く見積もっている人が多いためです。

開業後、事務所を維持していくためには以下のような固定費がかかります。

  • 行政書士会の会費
  • 複合機のリース代
  • 電話代
  • 家賃(事務所を借りる場合)

行政書士はパソコンや電話などの設備があれば自宅の一室でも開業できるため、比較的少ない初期投資で開業できます。

しかし、開業してすぐに安定した収入を得られるようになるケースはまれであり、「数か月〜1年収入ゼロ」という場合も少なくありません。

上記のような固定費が毎月かかることを考慮したうえで計画を立てなければ、収入が安定するまでもたないでしょう。

途中で資金が尽き、アルバイトをしなければならなくなると、行政書士として活動できる時間がなくなります。

その結果、チャンスを逃したり行政書士としてやっていく希望を失ったりして、最終的に廃業を選択してしまうケースもあります。

集客できない

多くの行政書士は、うまく集客できないことが原因で廃業しています

「どこで開業するか」「どのような分野を扱っていきたいか」といったことは考えていても、「どのように集客するか」まで綿密にプランニングしたうえで開業する人は少ないためです。

パソコンやインターネットのない時代から行政書士事務所を営んできたベテランであれば別ですが、これから参入するなら集客は必須です。

「事務所を構えて行政書士登録すれば依頼が来る」という幻想は捨てなければなりません。

中には、開業したものの依頼が来ず、「知人からの依頼を数件こなしただけで結局事務所をたたんでしまった」というケースもあります。

「廃業しない行政書士」になるためには、開業前から以下のことを検討しておく必要があります。

  • 開業案内の送付
  • ホームページの開設
  • SNSでの集客
  • ポータルサイトへの登録
  • 飛び込み営業
  • ポスティング
  • メールマガジンの配信
  • セミナーの開催
  • 交流会への参加

ポイントは、上記の中から1〜2つ程度に絞り、その方法にコミットすることです。

どのような方法を選べばよいのかわからない時は、自分が扱おうとしている分野やターゲット層、開業場所などに合わせて適した方法を選ぶとよいでしょう。

取り扱う分野の問題

取り扱う分野選びに失敗し、廃業に至るケースもあります。

今後成功するか廃業してしまうかは、分野選びで決まるといっても過言ではないためです。

例えば、以下のような決め方ではいくら頑張っても結果が出ず、廃業せざるを得なくなってしまう可能性があります。

  • 「なんとなく興味がある」「やりたい」というだけで選んでしまった
  • 地域性をまったく考えずに選んでしまった
  • 未経験でも取り組みやすいからと、単価の安い分野をメインにしてしまった

「興味がある」「やりたい」という気持ちだけでは稼げません。

地域性も重要です。

例えば、農地の少ない都市部で「農地転用」をメインに掲げても、あまり需要はないでしょう。

また、単価が安すぎる分野を選ぶこともおすすめできません。

どれだけ数をこなしてもたいして稼げず、精神的に疲弊してしまうためです。

分野選びは難しい問題です。

単価や競合がどの程度いるか、継続収入につながるかなど、さまざまなことを検討したうえで選択する必要があります。

個人事業主=経営者という意識が薄い

「事務所を経営している」という意識が薄い人も廃業しやすいです。

行政書士として事務所を立ち上げたのであれば、雇用される立場ではなく経営者として事務所を回していなければなりません。

しかし、特にサラリーマンから行政書士へと転身した場合などは、開業後もサラリーマン気分が抜けていないことがあります。

「自分は経験者である」という意識が薄いと、自分で考えて行動できなかったり無意識に誰かからの指示を待ってしまったりします。

意識を根底から変えなければ、経営者として成功しません。

実務と事務所経営の両立も難しいでしょう。

廃業しない行政書士の特徴5つ

廃業せず成功する行政書士になるためには、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、廃業しない行政書士の特徴を解説します。

1.準備や計画を入念に行っている

廃業しない行政書士は、開業前の準備や計画を入念に行っています

行政書士にかぎったことではありませんが、たいした準備や計画もなく開業してうまくいくほど甘くはありません。

特に重要なことは資金面です。

お金がなくなると精神的にも余裕がなくなり、やるべきことに集中できなくなってしまいます。

また、「稼がないといけない」という必死さが滲み出てしまうと、顧客はよい印象をもってくれません。

そのため、軍資金は十分に用意しておくことをおすすめします。

用意しておくべき金額の目安は、6か月〜1年分程度の生活費+固定費です。

融資を受けることを検討してもよいでしょう。

そのほか、パソコン・プリンターといった備品の準備や、開業後どのように営業し仕事をとっていくかといったことも計画しておく必要があります。

2.集客の勉強をしている

成功している行政書士は、きちんと集客の勉強をしています

どれだけ実務を勉強しても、集客ができなければ知識を活かす機会がなく、結局稼げないためです。

「事務所を構えれば依頼が来る」と思っているなら、考えを改める必要があるでしょう。

開業までにホームページを作成しておくことはもちろん、SNSやYouTubeなど、利用できるものは利用し、まずは世の中に認知してもらう努力をしましょう。

とはいえ「片っ端からやってみる」という方法では、結局中途半端になってしまううえ非効率です。

ホームページの開設やSNSの利用についても、「どのようにすれば効果的か」を学ぶところから始めることをおすすめします。

3.繋がりを大事にしている

他業種との繋がりを大事にすることも、廃業しない行政書士の特徴です。

例えば以下の業種との繋がりをもち、持ちつ持たれつの関係を築いている行政書士は多くいます。

  • 他士業(司法書士・土地家屋調査士・弁護士など)
  • 不動産会社
  • ハウスメーカー

他士業との繋がりがあれば、自分では対応できない仕事を紹介する代わりに案件を回してもらえます。

例えば相続案件で行政書士にできることは、遺産分割協議書の作成までです。

しかし司法書士との繋がりがあれば、相続登記を司法書士に頼めるためワンストップで対応できます。

反対に司法書士からは、建設業を営む際の「建設業許可申請」や、古物を事業として売買する時に必要な「古物商許可申請」といった案件を依頼されることがあります。

不動産会社やハウスメーカーとの付き合いがあれば、農地を農地以外の目的で使用する場合の「農地転用」や市街化調整区域に建物を建築する際の「都市計画法の許可申請」などの相談を受ける可能性があるでしょう。

このように、成功している行政書士の多くは、他業種とうまく付き合いながら仕事をしています。

「提携先」として認識してもらうことで、継続して案件を受注できる仕組みをつくれます。

4.専門分野をメインで扱う

廃業しない行政書士の多くは専門分野をもち、その分野のスペシャリストとして活躍しています

ざっくり「なんでもします」という行政書士よりも、特定の分野を極めた行政書士のほうが効率よく仕事ができるうえ、顧客からの信用も得やすいためです。

「なんでもする」スタンスは、間口が広いためその分多くの依頼を受注できると感じるかもしれません。

実際、ジャンルを問わずに依頼が来る可能性はあります。

しかし、慣れない案件を毎回1から調べてこなすことは効率的とはいえず、そのままのスタンスでいるかぎり何かのスペシャリストになることは難しいでしょう。

一方、専門分野をもって取り組む場合、特定の分野を集中的にこなすことになるため、その分野に関する知識が蓄積されていきます。

1件にかかる時間も徐々に短縮されていくため、効率よく稼げるようになっていくでしょう。

5.ダブルライセンスを取得する

成功している行政書士の中には、ダブルライセンスで活躍している人も多くいます

行政書士と相性のよい資格を掛け合わせることでできることが増え、さらに稼ぎやすくなるためです。

例えば、以下の資格が行政書士とのダブルライセンスとしてよく選ばれています。

資格名 ダブルライセンスを取得するメリット
司法書士 相続登記が行えるようになるため、トラブルが生じなければ相続業務を1人で完結させられるようになる。
社会保険労務士 会社設立でかかわった会社を、会社設立後は社労士としてサポートできる。
土地家屋調査士 農地転用や開発許可の際に必要な測量・図面の作成などが自分でできるようになる。(参考:行政書士と土地家屋調査士のダブルライセンス
宅地建物取引士 不動産売買に関する知識がつくため、相続後に不動産の売買を考えている顧客に適切なアドバイスができる。
FP 会社設立でかかわった会社を、会社設立後はFPとしてサポートできる。
税理士 相続や農地法3条(農地を農地として売買・贈与・賃貸借・使用貸借する場合の申請)を受注する際、相続税や贈与税についても具体的なアドバイスができる。
中小企業診断士 会社設立でかかわった会社を、会社設立後は中小企業診断士としてコンサルティングできる。

このように、行政書士と他資格のダブルライセンスを取得することで可能性が広がります。

ただし、「ダブルライセンスを取得すれば必ず稼げる」「必ず仕事が増える」というものではなく、成功するためには努力や工夫が必要です。

また、いずれも実務の片手間で取得できるような資格ではないため、行政書士として開業してから他資格の勉強をすることはあまりおすすめできません。

ダブルライセンスを目指すのであれば、ほしい資格が揃ってから開業したほうがよいでしょう。

関連コラム:行政書士と司法書士はどう違う?仕事・試験難易度の違い・おすすめな人とは

まとめ

行政書士の廃業についてや失敗する原因、成功する行政書士の特徴を解説しました。

最後にコラムをまとめます。

  • 行政書士の廃業率は意外と高くない
  • 行政書士が廃業する原因には、「資金不足」「集客できない」などがある
  • 廃業しない行政書士には、「準備や計画を入念に行う」「繋がりを大事にする」といった特徴がある

行政書士の廃業率は、3%程度とそこまで高くありません。

しかし、資金不足などが原因で廃業に追い込まれる人がいることも事実です。

廃業しない行政書士になるためには、「行政書士として実務をこなしながら事務所を経営していく」ことを正しく理解し、きちんと準備や計画を行ったうえで開業する必要があるでしょう。

「実務の勉強方法がわからない」といった不安があるなら、開業前にアガルートの実務講座を受講することをおすすめします。

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ポイントを押さえておけば、廃業は回避できます。

しっかり対策し、廃業しない行政書士を目指しましょう。

関連コラム:行政書士開業で後悔・失敗する原因6つ!後悔しないためにすべきこととは

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