登録日本語教員に学歴は必要?大卒向けの経過措置ルートとメリットについて解説!
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登録日本語教員になるために「学歴」が必要なのか悩んでいませんか?
また、大卒であっても、専門的な資格が必要かどうかや、経過措置ルートを利用できるのか気になる方も少なくありませんよね。
このコラムでは、登録日本語教員に学歴が必要かどうかを整理し、大卒者向け経過措置ルートの仕組みや大卒で登録日本語教員になるメリットを詳しく解説します。
目次
登録日本語教員の取得に学歴は必要?
登録日本語教員の資格取得には、学歴、年齢、国籍、母語などの条件は一切ありません。
そのため、高卒、中卒の方でも日本語教育に関心があれば誰でも挑戦することが可能で、大卒であることは必須ではありません。
しかし、実際の就職や海外勤務を視野に入れると、学歴が重要なポイントとなる場面がいくつかあります。
例えば、国内の日本語学校の求人を見ると、「4大卒以上」を条件に掲げる求人が多くなってきています。
特に、法務省告示校では、専任講師に対して大学卒業以上の学歴を求めることが一般的です。
これは、日本語教育において専門知識や指導力が求められるためであり、非常勤講師の場合でも学歴が選考基準の一つとなることがあります。
さらに、海外で日本語教師として働く場合には、4大卒以上の学歴がほぼ必須です。
例えば、中国やベトナムでは就労ビザ取得条件として大学卒業の学位を求める国が多く、日本語教師としてのキャリアを築くために学歴が重要視される傾向があります。
このような国々では、学歴がないとビザが下りず、働くこと自体が難しくなる可能性があるでしょう。
以上のことから、登録日本語教員資格を取得するだけであれば学歴は不要ですが、就職やキャリア形成の面では、4大卒以上の学歴が大きな武器となることは間違いありません。
日本語教師を目指す方は、資格取得だけでなく、学歴や関連資格の取得を計画的に進めていきましょう。
登録日本語教員の経過措置ルートには大卒以上の学位が必要?
登録日本語教員の経過措置ルートには、いくつかのルートがありますが、すべてのルートで学士以上の学位が必要というわけではありません。
これらの経過措置は、現職の日本語教師や特定の養成課程を修了した方を対象に設けられていますが、そのうち学士以上の学位が要件となっているルートは経過措置Cルート、D-1ルート、D-2ルートです。
以下で詳しく解説します。
経過措置Cルート
対象者
学士以上の学位を有し、必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程を修了した方が対象となります。
この養成課程は、文部科学省が定める基準を満たしている必要があります。現職の日本語教師であるか否かは問われません。
免除内容
このルートを利用することで、基礎試験および実践研修が免除されます。
ただし、応用試験の受験は必要です。適用期間は令和6年4月1日から令和15年3月31日までの10年間と、他のルートよりも長く設定されています。
これは、現行の養成課程を実施している大学等が新制度に移行する際の猶予期間として設けられています。
経過措置D-1ルート
対象者
学士以上の学位を有し、平成12年の「日本語教員養成のための指針」に対応した日本語教員養成課程を修了した現職の日本語教師が対象です。
この指針に基づく養成課程は、5区分の教育内容を実施していることが求められます。
免除内容
基礎試験および実践研修が免除されますが、文部科学省が実施する講習Ⅱの受講と修了が必要です。
さらに、応用試験の受験も求められます。適用期間は令和6年4月1日から令和11年3月31日までの5年間です。
経過措置D-2ルート
対象者
学士以上の学位を有し、現行の告示基準教員要件に該当する日本語教員養成課程を修了した現職の日本語教師が対象です。
この養成課程は、CルートやD-1ルートの要件には該当しないものの、一定の基準を満たしています。
免除内容
基礎試験および実践研修が免除されますが、文部科学省が実施する講習Ⅰおよび講習Ⅱの両方の受講と修了が必要です。
また、応用試験の受験も求められます。適用期間は令和6年4月1日から令和11年3月31日までの5年間です。
登録日本語教員に大卒でなるメリットは?
登録日本語教員に大卒でなることは、資格取得からキャリア形成までさまざまな場面で大きなメリットがあります。
養成機関ルートで資格取得を目指す際には基礎試験が免除されるほか、海外での就労に必要な学歴要件をクリアしやすくなります。
また、国内外で応募可能な求人の幅が広がり、より良い条件での採用やキャリアアップが見込める可能性も高いです。以下でより詳しく解説いたします。
養成機関ルートでの資格取得と基礎試験免除
登録日本語教員の資格取得には、主に「養成機関ルート」と「試験ルート」の2つの方法がありますが、大卒であることは、特に養成機関ルートを選択する際に大きなメリットとなります。
具体的には、文部科学大臣または文化庁長官が認定する登録日本語教員養成機関で所定の課程を修了することで、日本語教員試験の基礎試験が免除されます。
この免除は、大学での専門的な教育を通じて、既に必要な知識や技能を習得していると認められるためです。
基礎試験の免除により、応用試験や実践研修に集中でき、資格取得までスムーズに進めることができます。
さらに、大学での学びを通じて、教育現場で求められる実践的なスキルや理論的な知識を体系的に習得できる点も大きなメリットです。
海外就労がしやすくなる学歴要件のクリア
日本語教師として海外で働くことを希望する場合、就労ビザの取得条件として学士号以上の学歴を求める国が多いです。
例えば、アメリカやカナダ、オーストラリアなどでは、教育関連の職種に就く際に学士号が必須とされることが一般的です。
大卒であることで、これらの国々での就労ビザ取得がスムーズになり、海外でのキャリアチャンスが広がります。
また、学位を持つことで、現地の教育機関や企業からの信頼も高まり、より良い条件での採用や契約が期待できることもあるでしょう。
特に、日本語教育の需要が高まっている地域では、学歴が採用の重要な判断基準となることが多いため、大卒の資格は海外就労を目指す上で大きな強みとなります。
求人応募の幅を広げる学位の必要性
日本国内で日本語教師として働く場合でも、学士号を持つことは就職先の選択肢を広げる重要な要素となります。
特に、日本語学校の専任講師や大学、大学院などの高等教育機関でのポジションでは、学位が必須条件とされることが多いです。
これらの教育機関では、教育者としての専門性や信頼性を示すために、学位の有無が重視されます。
また、専任職だけでなく、派遣講師や非常勤講師の求人でも、学位が条件となる場合があります。
まとめ
本コラムでは、登録日本語教員になる際に学歴がどのように関わるのか、また大卒であることのメリットについてご紹介しました。
資格取得自体に学歴は必須ではないため、高卒や中卒の方でも挑戦できますが、就職やキャリア形成を考えると大卒の学歴が大きな強みになります。
登録日本語教員取得における養成機関ルートでは基礎試験が免除されるほか、海外での就労ビザ取得や、学歴を条件とする求人への応募が可能になる点は特に注目すべきポイントです。
また、経過措置ルートの一部では学士以上の学位が必要となりますが、これを活用することで試験や研修の負担を軽減できる場合があります。
大卒の資格は、国内外でより良い条件の仕事に就き、日本語教育の分野で安定したキャリアを築くための大きな武器となるでしょう。