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日本語教育能力検定試験は役に立たない・意味ないって本当?試験内容と受験資格について解説!

日本語教育能力検定試験

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「日本語教育能力検定試験を受けようと思ったけど、本当に役立つのか疑問…」と感じていませんか?

あるいは、「この資格がどれくらい実践に結びつくのか」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか?

日本語教育能力検定試験は、日本語教師としての基礎知識を身に付ける一方で、その内容が現場にどれだけ役立つのか、迷う方も少なくありません。

このコラムでは、試験内容や受験資格について詳しく解説し、実際のメリットや注意点についても触れていきます。

日本語教育能力検定試験は役に立たない・意味ない?

日本語教育能力検定試験について「役に立たない」「意味ない」との意見が時々見られますが、実際には日本語教育の現場で役立つスキルや知識を深めるための重要な資格です。

この試験を通じて、日本語教師として求められる基礎的な知識を学び、資格があることで就職時の信頼性が高まります。

「試験内容が実際の授業での指導スキルに直結しない」との意見があり、確かに日本語教育能力検定試験は言語学や教育学の理論を中心に扱うため、実践的な指導スキルは経験を通じて磨く必要があることは事実です。

そのため「試験に合格しただけでは現場で即戦力にはなりにくい」との声もありますが、学習者に対応する基本知識を持つことは教育の土台として重要です。

特に異文化理解や学習理論の理解が求められる場面では、試験の学びが役立つでしょう。

また、近年では日本語教師の国家資格化が進められ、日本語教育の制度が変わりつつあります。

文化庁の方針では「登録日本語教員」という新しい国家資格が導入される予定であり、この資格取得には教育の理論だけでなく実地研修が必須となります。

しかし、この新資格が設けられた後も、検定試験は民間資格として引き続き有用とされ、日本語教師としてのキャリアアップに必要な基礎力を証明するものとして重宝される見込みです。

特に、民間の日本語学校や海外の教育機関で働く際、検定試験の合格は採用条件の一部となることが多く、実績として評価されます。

「日本語教育能力検定試験は役に立たないのでは?」という意見もありますが、この資格は日本語教師としての初歩的な実力証明に非常に役立つ試験です。

教育の基礎を学んだうえで、現場での経験と組み合わせて成長することで、教師としてのスキルがより高まります。試験の意義を理解し、自身の学びに活かしていくことが、教師としての信頼と実力を高める第一歩と言えるでしょう。

日本語教育能力検定試験の試験内容は?

日本語教育能力検定試験の試験内容は、日本語教育に関する理論的な知識を問うものから、教育現場での具体的な対応を想定したものなど幅広いものとなっています。

日本語教師として基礎から応用に至るまで幅広い理解力が試される試験です。

公式の受験案内によると出題範囲に関しては以下の通りです。

区分

主な出題項目

社会・文化・地域

日本の社会や文化、日本語教育の歴史

言語と社会

社会言語学、異文化理解、言語と文化の関係

言語と心理

学習過程の心理的側面や言語習得プロセス

言語と教育

教授法、教材評価、教育実習のポイント

言語

日本語の構造、文法体系、コミュニケーション能力

試験の1日のスケジュール

試験は1日で完結し、試験ⅠからⅢまで順に行われます。それぞれ異なる形式で行われ、試験内容に合わせた対策が必要です。

  • 試験Ⅰ:9:00~10:30(90分)
  • 試験Ⅱ:11:30~12:00(30分)
  • 試験Ⅲ:13:30~15:30(120分)

試験内容

試験Ⅰ:基礎知識を問う試験

  • 内容:日本語教育に関する基本的な知識の理解を問う
  • 試験時間:90分
  • 配点:100点
  • 出題形式:選択式

試験Ⅰでは、日本語教育に関連する基礎知識を幅広くカバーします。

具体的には、社会や文化、心理、言語構造、教授法といった領域に対する理解を確認するため、各分野から均等に出題されます。

日本語教育の背景や基本理論をしっかりと把握しているかが問われるため、日本語教師にとっての「基盤力」を試す試験です。

試験Ⅱ:音声問題を含むリスニング試験

  • 内容:音声理解と応用力の評価
  • 試験時間:30分
  • 配点:40点
  • 出題形式:選択式、音声問題あり

試験Ⅱでは音声問題が出題され、30分間で日本語の発音、アクセント、イントネーションに関する理解が試されます。

この問題は、受験者が学習者の視点から音声を聞き取るスキルを持っているかを評価し、実際の授業での発音指導にも役立ちます。

短時間で即座に判断することが求められるため、音声問題の対策が重要です。

試験Ⅲ:応用力と問題解決能力を試す試験

  • 内容:実際の教育現場で役立つ問題解決力や指導スキルを問う
  • 試験時間:120分
  • 配点:100点
  • 出題形式:記述式と選択式

試験Ⅲでは400字程度の記述問題と選択式の問題が出題され、日本語教育における具体的な課題を通じて、受験者の応用力が問われます。

教育現場で遭遇するようなケーススタディ形式の問題も多く、理論だけでなく、実際の指導力や解決力も評価対象です。

記述式では、論理的に考えながら解答を構成する力と限られた文字数で適切に考えを表現する力が必要です。

日本語教育能力検定試験の受験資格は?

日本語教育能力検定試験は受験資格がなく、誰でも受験可能です。

そのため、年齢や日本語教育の経験に関係なく、幅広いバックグラウンドの方が挑戦できる試験となっています。

直近5年間の受験者数と合格者数は以下の通りになっており、受験者数は例年10000人前後で推移しています。

日本語教育の経験が豊富な方から、これから教師を目指す方まで、さまざまな目的で受験されることが特徴です。

年度

応募者数

全科目受験者数

合格者数

令和元年

11,699

9,380

2,659

令和2年

11,316

9,033

2,613

令和3年

10,216

8,269

2,465

令和4年

8,785

7,054

2,182

令和5年

10,170

8,211

2,542



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