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登録日本語教員とは?試験内容や資格取得ルートについて解説!現職者はどうなる?

登録日本語教員

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「登録日本語教員として働きたいけれど、資格の取得方法や試験内容がよく分からない…」と悩んでいませんか?

また、現在日本語教育に携わる方も、資格制度の変化に不安を感じているかもしれませんね。

このコラムでは、新しく導入される「登録日本語教員」資格の概要や試験内容、資格取得ルートについて詳しく解説します。

現職の方が気になる移行措置についても触れているので、このコラムを通して今後のキャリア形成に役立ててください。

登録日本語教員とは?

登録日本語教員とは、2024年4月から新たに導入された日本語教師のための国家資格です。

これまで、日本語教師として働くための資格は民間資格に限られており、日本語教育能力検定試験の合格や大学などでの養成講座修了が主な資格取得ルートとされてきました。

しかし、登録日本語教員が国家資格として誕生したことで、日本語教育の質や教師の専門性向上が期待され、日本語教育の新しい基準が確立されることになったのです。

登録日本語教員資格の最大の特徴は、国家資格であることにより、社会的な信頼性や認知度が高まった点です。

これにより、これまで日本語教師として働くにあたって必要だった民間資格以上の信頼性が求められ、教育機関においても安心して教員採用を行うことができます。

日本語教師としての専門性を示す国家資格が存在することで、他の教育分野と同等の評価が得られるため、日本語教育の地位向上にも貢献します。

また、資格取得にあたっては試験や実践的な教育経験が必要とされ、教師としてのスキルや知識の充実が図られることも、この資格制度の導入による大きなメリットです。

また、登録日本語教員資格は、教育現場にも大きな影響を及ぼしています。

2024年4月以降、一定の基準を満たした「認定日本語教育機関」で日本語教師として働くためには、この登録日本語教員の資格が必須となりました。

これは、日本語教育の現場で働く教師の質を国家が保証するものであり、教育機関で学ぶ外国人の学習環境をより良くするための施策でもあります。

つまり、認定日本語教育機関で教壇に立つためには、これまでの民間資格だけでは不十分であり、国家資格を取得して初めて正式な教育者としての立場が認められるようになったのです。

これから日本語教師を目指す方にとっては、国家資格取得が目標となり、教育内容や指導スキルの充実が図られやすくなります。

一方で、現在働いている教師の方々も、資格の再取得や追加研修が必要とされるケースがあるため、この移行措置によって日本語教師全体の専門性や教育レベルが底上げされることが期待されています。

登録日本語教員になるには?資格取得ルートは?

登録日本語教員資格を取得するためには、大きく分けて「養成機関ルート」と「試験ルート」の2つのルートが用意されています。

養成機関ルートは、カリキュラムの修了により基礎試験が免除される点が特徴で、教育課程の中で一貫して日本語教育の知識と実践スキルを学ぶことができるため、教育機関での学びを活かした資格取得が可能です。

一方で試験ルートは、特定の教育機関に通わずに試験で基礎知識と応用力を証明することが求められ、自主的な学習や現場経験を活かして資格取得を目指す方法です。

各ルートについて詳しく解説します。

養成機関ルート

養成機関ルートは、大学や専門学校などで日本語教育に関するカリキュラムを修了することで資格取得を目指すルートです。

このルートには、さらに2つのパターンがあります。

登録実践研修機関と登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する場合

この場合、大学では26単位、専門学校では420単位時間以上のカリキュラムの修了が必要です。

このルートを選択した場合、「基礎試験」が免除され、次のステップとして「応用試験」に進むことができ、応用試験に合格した後は、実践研修(教育実習)を受ける必要があります。

この実践研修は、養成課程と一体的に実施されるため、実践的なスキルを養成課程の中で段階的に身につけることができます。

これらを全てクリアすると、登録日本語教員資格を取得することが可能です。

登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する場合

この場合は、大学で25単位、専門学校で375単位時間以上の課程を修了することが要件です。

このルートでも「基礎試験」が免除され、「応用試験」からの受験となり、応用試験に合格後、登録実践研修機関で実施される実践研修を修了する必要があります。

この実践研修を通じて、教育現場での実践的な指導力や対応力を身につけることが求められます。

試験ルート

試験ルートは、大学や専門学校での特定の課程修了や養成機関での学習を経ずに、試験によって資格取得を目指すルートです。

教育現場での経験や自主的な学習を基に直接試験に挑戦することができます。

試験ルートのステップ

このルートでは、まず「基礎試験」に合格する必要があります。

基礎試験では、日本語教育に関する基礎知識や教育理論が問われます。

基礎試験に合格すると「応用試験」に進むことができ、応用試験では、より実践的な指導スキルや学習者に合わせた教育法に関する知識が求められます。

応用試験に合格した後は、登録実践研修機関での実践研修を受講し、教育現場での実践力を身につけることが必要です。これらの過程を全て修了すると、登録日本語教員資格を取得できます。

登録日本語教員の試験内容は?

登録日本語教員資格を取得するための試験には、「基礎試験」と「応用試験」の2つの試験があります。

基礎試験

基礎試験は、日本語教育に関する基礎的な知識と技能を測定することを目的としています。

試験は選択式で、100問が出題され、試験時間は120分です。出題範囲は、以下の5つの区分に分かれています。

分野

説明

社会・文化・地域

日本語教育が行われる社会的・文化的背景や地域特性に関する知識。

言語と社会

言語が社会とどのように関わり、影響を及ぼすかに関する理解。

言語と心理

言語習得や学習者の心理的側面に関する知識。

言語と教育

教育理論や教授法、カリキュラム設計など、教育全般に関する知識。

言語

日本語の音声、語彙、文法、意味、文字表記など、言語そのものに関する知識。

各区分からバランスよく出題され、総合的な基礎知識が問われます。

応用試験

応用試験は、基礎的な知識を実際の教育現場でどのように応用できるかを評価するものです。

試験は選択式で100問出題され、聴解と読解の2部構成となっています。

項目

説明

聴解

試験時間は50分で、教育現場でのやり取りや学習者の発話など、実践的な音声素材を用いた問題が出題されます。

読解

試験時間は100分で、教育現場で使用される資料や学習者の作文などを題材とした問題が出題されます。

応用試験では、基礎試験で学んだ知識を活用し、教育現場での問題解決能力や対応力が問われます。

具体的には、学習者のニーズに合わせた指導法の選択や、教育上の課題に対する適切な対応策の提案などが求められます。

参考:文部科学省|令和6年度日本語教員試験試験案内

日本語教師の現職の人はどうなる?

日本語教師の現職の方々にとって、「登録日本語教員」資格は認定日本語教育機関での勤務に必須となりますが、現職の教師には経過措置が設けられ、支援策を活用しながら資格取得を段階的に進められる体制が整えられる予定です。

「登録日本語教員」という国家資格が新たに導入されたことによる影響を、認定日本語教育機関で勤務する場合と海外やオンラインで活動する場合に分けて詳しく解説します。

認定日本語教育機関での勤務には「登録日本語教員」資格が必須に

2024年11月現在、文部科学大臣が認定する「認定日本語教育機関」で日本語教師として働くためには、新たに設けられた「登録日本語教員」の資格が必須となりました。

これは、日本語教師としての知識や技能が国家基準で評価されることを意味しており、日本語教育の場における教育水準の向上と学習者に対する質の高い指導が求められる背景があります。

認定機関では、今後「登録日本語教員」資格を持つ教師のみが正式に採用されることになります。

現職の日本語教師への経過措置

新しい資格制度である「登録日本語教員」の導入に伴い、既に現職として活動している日本語教師に対しては「経過措置」が設けられています。

この措置により、現職の日本語教師が直ちに「登録日本語教員」を取得しなければならないわけではなく、一定期間内に資格取得を目指すことが可能です。

また、経過措置の一環として、現職者向けに「試験の一部免除」や「特別講習の受講」といった支援策が提供される予定です。

例えば、長年の経験を積んでいる現職者については、基礎試験が免除されるケースも考えられます。

海外やオンラインで活動する日本語教師への影響

一方、海外の教育機関で働く日本語教師や、オンラインで個人として日本語を教えている教師には、この新たな資格制度の直接的な影響はありません。

これらの教育活動は日本国内の認定日本語教育機関の枠外で行われているため、「登録日本語教員」資格が必須となるわけではないのです。

そのため、海外やオンラインで働く教師は、現在の形態で活動を継続することが可能です。

ただし、将来的に認定教育機関での勤務を考える場合や、教育の質をさらに高めることを目指す方には、「登録日本語教員」資格の取得を検討する価値があるでしょう。

国家資格を取得することで、国内外問わず日本語教師としての専門性や信頼性が高まり、キャリアの幅が広がる可能性もあります。



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