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司法試験の合格点や配点は?短答式・論文式別に解説!足切りはあるの?

司法試験

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司法試験を目指す上で、配点や合格点が気になっている人も多いのではないでしょうか。
合格を勝ち取るには、まず配点や合格点を知り、合格レベルに達することができるよう、戦略を立てることが非常に重要です。

そこで、このコラムでは、司法試験合格に必要な点数や配点などについて、具体的な数字をもとに解説・紹介していきます。

司法試験の配点や合格点を詳しく知ることができますので、ぜひご一読ください。

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司法試験の配点は?

司法試験の短答式及び論文式についての配点を具体的に紹介します。

司法試験短答式の配点

司法試験短答式は175点満点で、試験科目は憲法、民法、刑法の3科目です。民法は満点75点、憲法と刑法は各50点満点になります。

試験時間は、民法が75分、憲法と刑法は各50分です。

民法の配点が高いのは、憲法や刑法よりもそもそも条文数が多いこと、そして求められる情報量も必然的に多いことが挙げられます。

試験時間について、民法は75分ですがこの試験時間はイメージよりもかなりタイトです。同様に刑法も50分の試験ですが、かなり厳しめな試験時間です。

民法と刑法はいずれも短文でありますが、簡易的な事例が出題されることから、文章を読み、結論を導き出すことが必要です(時には関係図なども記載する必要がある問題も出題されるため、問題文を読み頭の中のみで回答がすぐに出せる問題ばかりではありません)。

他方で、憲法は民法や刑法とは異なり、かなり時間が余る傾向にあります。

憲法の問題は、事例問題というよりかは、判例や学説の知識がそのまま問われる傾向にあります。

ですので、知っているか知らないかの2択になり、知っていれば選択肢を切ることが比較的スムーズでしょう。

科目 配点 試験時間
民法 75点 75分
憲法 50点 50分
刑法 50点 50分

司法試験論文式の配点

次に、司法試験論文式の配点についてご紹介します。

司法試験の科目は、公法系(憲法と行政法)、民事系(民法、商法、民事訴訟法)、刑事系(刑法、刑事訴訟法)、選択科目です。いずれの科目も配点は100点です。

試験時間は選択科目以外の科目が各120分、選択科目のみ180分の試験時間です。

いずれも試験時間は、かなりギリギリの時間になるイメージです。問題文を読み、論点を見つけ、答案構成を行い、実際に答案に起案する流れを想像していただければわかるように、問題文を読んでから答案構成をするまで(人によって異なりますが)少なくとも50分前後の時間がかかります(さらに、問題が難しく何を書けばよいのかわからない場合にはより一層答案を書き始めるまでに時間を要します)。

そして実際に起案をして、答案を完成させるまで1時間と考えると、かなり時間的にタイトな試験です。

そのため、繰り返しの演習が重要になります。

科目 配点 試験時間
憲法 100点 120分
行政法 100点 120分
民法 100点 120分
商法 100点 120分
民事訴訟法 100点 120分
刑法 100点 120分
刑事訴訟法 100点 120分
選択科目 100点 180分

ここでは司法試験に合格するために必要となる点数について、ご紹介します。

直近の試験を見ると令和6年の司法試験合格点は770点でした。

近年の傾向からして、司法試験に合格するために必要となる点数は、概ね750点~810点で推移しています。

つまり、目安として、短答式・論文式ともに6割~7割程度取れていれば、合格点に達すると考えられます。

なお、司法試験の合格点とは、合格に必要な最低点を意味します。

司法試験合格点(最低点)の推移

司法試験の合格点(最低点)の近年の推移は以下の表のとおりです。

令和6年では770点、過去6年間でもっとも高い合格点は令和元年の810点です。

過去の合格点の推移を見ると、概ね770点以上は必要であり、年度によって合格に必要な点数はかなりの幅で変動しているといえます。

司法試験の合格点は、短答式試験と論文式試験の点数を合算したものです。

ですので、短答式の点数が悪くとも(足切りラインは超えているものの、合格者平均よりも低い場合であっても)、論文式にて挽回することも十分可能です。

むしろ、論文式試験の配点比率の方が、短答式よりも高いことから、論文式試験でいかに高得点を得るかが勝負になると言っても過言ではありません。

また、年度によって合格点が推移しているのは、受験者数や受験者全体がどの程度の点数を得ているのか等によって、最終合格者人数を調整する意味合いがあるからです。

ですので、司法試験合格点はあくまで目安として、イメージをもつための材料の1つだと思って頂ければと思います。

試験年 合格点
令和6年 770点
令和5年 770点
令和4年 750点
令和3年 755点
令和2年 780点
令和元年 810点

点数の計算方法

合格点の条件をクリアするには以下の条件が必要になります。

司法試験 合格点の条件
短答式で全科目の足切りライン(満点の40%)以上の点数である
短答式試験の合計得点で合格点を超えている
論文式の全科目の足切りライン(満点の25%)の点数である
以下の式で点数を計算し、総合得点が合格点を超えている
短答式試験の得点+(論文式試験の得点×1400/800)

つまり、短答式では、全科目で足切りラインを超えていること、かつ短答式試験の合格得点を得ていること、並びに、論文式試験の全科目の足切りラインを超える点数で、かつ総得点が合格点を超えていることが必要です。

上記1から4のどれか1つでも欠けている場合は、直ちに不合格となります。

配点で着目すべきは、合格点が短答式と論文式の合計点をそれぞれ、単純に合算して算出されているわけではない、ということです。

短答式試験の点数はそのまま合算されますが、論文式試験の点数は1400/800倍されます。つまり、論文式試験の点数の方が実際の素点よりも多く最終点数に上乗せされる仕組みになっています。

このことからも、最終合格に必要なポイントは、論文式試験でいかに高得点を取るか、という点であることがわかると思います。

【司法試験】短答式の合格点は?

令和6年の司法試験の短答式合格点は、93点です。

近年の短答式の合格点を見ると、近年の合格点は93点から110点を推移していることがわかります。

司法試験短答式合格点の推移

司法試験短答式の合格点の推移を見ると、直近5年間で最も高い合格点が108点(令和元年度)、最も低いのが93点(令和2年度)です。

概ね、95点前後を推移していることがわかります。

短答式に確実に合格するためには、年度によって異なることもありますが、目安として110点以上を安定して得点することができれば、ほぼ確実に短答式試験に合格することができるでしょう。

令和元年度は、短答式だけでなく、論文式の合格点も高い傾向にありました。

令和元年度以降では、従来通り95点から100点前後に落ち着いている傾向があります。ですので、今後も、短答式の合格点は90点から100点前後を推移することが予想されます。

試験年 合格点
令和6年 93点
令和5年 99点
令和4年 96点
令和3年 99点
令和2年 93点
令和元年 108点

【司法試験】論文式の合格点は?

論文式試験の合格最低点は明らかにされていません。

そのため、司法試験の論文試験における平均点から合格に必要な点数を見ていきたいと思います。

司法試験論文式平均点の推移

直近5年間における司法試験論文試験の平均点の推移を以下の図にまとめました。

最も高い平均点で、393.50点(令和2年)、最も低い平均点で380.77点です。概ね、380点から393点の幅で推移していることがわかります。

このような平均点の傾向からすると、論文式の合格点は平均点よりもやや下である可能性が高いです。

もっとも、1点2点の間に数十人の受験者が混在していますので、たかが1点と考えるのは危険です。実際、1点違うだけで、順位が大きく異なることも頻繁に生じています。

試験年 平均点
令和6年 385.63点
令和5年 392.01点
令和4年 387.16点
令和3年 380.77点
令和2年 393.50点
令和元年 388.76点

司法試験の足切りは?

司法試験には、足切りラインが存在します。

足切りラインとは、科目ごとの当該足切りの点数を下回った場合、直ちに不合格となる点数をいいます。

足切りラインを下回る科目が1つでもあれば、不合格となりますので科目別で苦手な科目を作らないことが大切です。

1つでも苦手な科目があると、当該科目で足切りラインを切ってしまう可能性が高くなり、大変危険です。

特定の科目が苦手で得点が取れないといったことがないように、全科目満遍なく安定した得点を取ることが何より重要であるといえます。

1つ1つの科目を満遍なく勉強し、どうしても苦手科目は意識的に苦手の克服をしていきましょう。

短答式の足切り

短答式試験での足切りは、各科目の配点の4割で1科目でも足切り点を下回った場合は、合格することができません。

具体的には、民法が30点、憲法・刑法が20点です。

合計点では合格点を上回っていたとしても、1科目でもこの足切りラインを下回る点数を取ってしまうと不合格となってしまいます。

論文式の足切り

司法試験の論文式における足切りは、各科目の配点の25%で、1科目でも足切り点を下回った場合は、合格することができません。

具体的には、民事系が75点、公法系・刑事系が50点、選択科目が25点です。

配点・合格点・足切りを踏まえた司法試験合格の戦略を解説!

ここでは、司法試験の配点・合格点・足切りを踏まえたうえで、司法試験に合格するための戦略について具体的に解説をします。

過去問での対策を徹底する

まずは、徹底的に過去問の対策をすることが重要です。

司法試験では、過去問からどのような出題傾向で、どの論点が頻出論点かなど、今後の出題傾向を知ることができます。

そのため、過去問分析は非常に大切です。

例えば、刑法の問題を一例にすると、従来の司法試験では刑法では学説の対立や反対説からの見解、考え方を摘示する必要はなく、あくまでも自説(つまり1つの立場)から論じればよい問題でした。

ですが、近年の傾向をみますと、従来とは異なり、反対説や少数説の視点からも論じることが求められる問題傾向に変わりつつあります。

1つの立場さえおさえておけばよいのではなく、その立場とは異なる考え方も理解することで、結果的には自説を真に理解することができることに繋がるという意図があってのことだと思われます。

そして、このような出題傾向は過去問の分析をしなければ気付くことができません。

逆に、過去問を分析ができてさえいれば、出題傾向に気付くことができ、最近の司法試験の出題傾向に沿った勉強や対策を立てることができます。

満遍なく全科目を勉強する

司法試験には足切りが存在することは上述したとおりです。

苦手意識のある科目はどうしても後回しになり、勉強量も少なくなってしまいがちです。

意識的に全ての科目を満遍なく勉強しているかどうか、常に注意して勉強を進めることが重要であるといえます。

まとめ

このコラムでは、司法試験の配点と合格点について解説しました。

司法試験には(予備試験とは異なり)短答式及び論文式のいずれにも足切りラインが存在することがわかったかと思います。

司法試験で求められるのは、全ての科目において満遍なく隔たりのない知識量と理解力です。
この点を意識的に注意して、勉強をすすめれば司法試験で足切りにあうことは少なくなります。

また、短答式試験も大切ですが、配点比率との関係から論文式試験に力を入れることをおすすめします。

きちんと対策をすることで、司法試験に合格することは十分可能ですので、ぜひこのコラムを参考にして頂き、今後の司法試験の勉強の指針として頂ければと思います。

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