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司法試験の科目は?科目数や難易度、勉強時間について解説

司法試験

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司法試験を目指してこれから勉強を進めたいと考えている皆さんは、どんな科目があるのか、どんな勉強をするべきなのか、知りたいですよね。

司法試験の科目は8科目あります。どの程度の勉強量が必要なのか、勉強を始めても合格できるのかどうか、不安も多いと思います。

このコラムでは、司法試験の短答式試験、論文式試験の科目を紹介し、それぞれどんな勉強をするべきなのか、勉強のポイント、コツ、科目のウエイト、勉強を始める時期などについて、ご紹介したいと思います。

ちなみに、このコラムの著者は、フルタイムで仕事をし、子育てもしながらなんとか合格できましたから、法律を学びたいと思う気持ちがある皆さんであれば、正しい勉強をすれば、きっと合格できるはずです。

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司法試験の科目一覧!科目数は?

司法試験の科目は、短答式が憲法、民法、刑法の3科目、論文式が憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、選択科目の計8科目です。

短答式

民法

憲法

刑法

論文式

憲法

行政法

民法

商法

民事訴訟法

刑法

刑事訴訟法

選択科目

 

短答式試験

短答式は、憲法、民法、刑法の基本3科目です。

試験時間は、民法75分、憲法50分、刑法50分です。

短答式試験の全科目において、満点(憲法50点、民法75点、刑法50点)の40%点(憲法20点、民法30点、刑法20点)の最低点をクリアするとともに、合計得点が99点以上が合格点です。

論文式でも同様ですが、とにかく司法試験では、得意科目を作ることよりも「苦手科目を作らないこと」が鉄則です。

4日間の司法試験日程のうち、短答式は最終日の4日目ですが、短答式が合格点に達しないと、その前の3日間で受験した答案は、残念ながら採点されません。

初学者の方には、早くから出題範囲ごとに体系づけられた短答式の過去問集を購入し、基本書を読んだらその分野の短答式の過去問を解くことがおすすめです。

過去問集にも様々ありますが、判例解説などがしっかり書かれているものを解いて、なぜその選択肢が正解なのかが、理由とともに理解できるものがよいと思います。

また、判例解説が書かれていれば短答対策と論文対策を兼ねることもできます。

民法

例年、36~37問程度出題され、満点は75点です。試験時間は75分です。

1問2点の問題と3点の問題があります。部分点はありません。

憲法

例年、20問程度出題され、満点は50点です。試験時間は50分です。

1問2点の問題と3点の問題があります。

3点問題は、3問中2問正解で部分点1点が配点されます。

刑法

憲法と同様、20問程度出題され、満点は50点です。試験時間は50分です。

1問2点、3点、4点の問題があります。

4点問題は5問中4問正解で2点の部分点が与えられますが、その他は原則として部分点はありません。

総論、各論の幅広い分野から出題されますが、論文式試験との親和性は3科目の中で最も高いといえるかもしれません。

「各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか」など、重要最判の正確な理解を求める問題が相当数出題されます。

論文式試験

論文式試験の試験科目は、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、選択科目の計8科目です。

いずれも満点は100点(選択科目は50点×2)です。

公法系

・憲法

憲法は、司法試験1日目、選択科目3時間の後、午後最初(13:45~15:45)の科目です。試験時間は2時間です。満点は100点で、配点割合は示されていません。

・行政法

行政法は、司法試験1日目、選択科目3時間、憲法2時間の後1日目最後(16:30~18:30)の科目です。試験時間は2時間です。満点は100点で、配点割合が示されています。

民事系

・民法

民法は、司法試験2日目、最初(10:00~12:00)の科目です。試験時間は2時間です。

・商法

商法は、司法試験2日目2科目目(13:15~15:15)です。試験時間は2時間です。

・民事訴訟法

民事訴訟法は、司法試験2日目3科目目(16:00~18:00)です。試験時間は2時間です。

刑事系

・刑法

刑法は、休憩を1日挟んだ後の司法試験3日目、最初(9:30~11:30)の科目です。試験時間は2時間です。

・刑事訴訟法

刑法は、司法試験3日目、2科目目(12:45~14:45)です。試験時間は2時間です。

選択科目

倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法〔公法系〕、国際関係法〔私法系〕

選択科目は、司法試験1日目の最初の科目(9:30~12:30)です。試験時間は3時間です。

司法試験の科目はどんな順番で勉強すればいい?

勉強する科目の順番に関して言えば、「民事系」「刑事系」「公法系」は、なるべくまとめて学んだ方が良いと思われます。

相互に関連性があるためです。

やはり、憲法、民法、刑法の基本3科目の正しい理解があることが、その他の行政法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の論文を書く上でも必要になります。

大学の法学部でも、基本3科目の勉強からスタートする大学が多いと思われます。

司法試験の短答式も基本3科目ですから、初学者の方は、出題範囲ごとに体系づけられた短答式の過去問集を購入し、基本書を読んだらその分野の短答式の過去問を解くと良いと思います。

民法総則、刑法総論は抽象的な概念が多いため、民法では契約各論を、刑法は各論も目を通してみてか民法総則、刑法総論に戻ると理解が進むかと思います。

司法試験の科目別勉強時間は?

受験生それぞれに得意、不得意があるでしょうから、どの科目を中心に勉強すべきであると一般的にいうのは難しいですが、やはり、「民法」は条文の数も論点の数も他の科目の群を抜いているといえるでしょう。

ちなみに資格予備校のアガルートの総合講義100では、以下のような講義時間配分となっています。(こちらは司法試験受験資格をお持ちの方・取得見込みの方向けの講座です)

憲法

約29時間

行政法

約16時間

民法

約30時間

商法

約15時間

民事訴訟法

約16時間

刑法

約23時間

刑事訴訟法

約20時間

 

著者は全体の勉強時間を100%とすると25%程度は民法の勉強時間に充てていました。

著者の例で言えば、憲法15%、行政法5%、民法25%、商法15%、民訴法12%、刑法15%、刑訴法10%、環境法3%といった割合で勉強していました。

大学受験と通じるものがあるかもしれませんが、やはり司法試験の勉強でも大事なのは基本的な概念に対する正確な理解です。

そして、司法試験は研究者ではなく、法曹実務家の登用試験ですから、判例を正しく理解をすることが大切です。

また、前提として、必ず法律の条文を示してその解釈を示す必要があります。

勉強をする際にも必ず六法を手元に置いて条文を参照しながら基本書を読んだりしましょう。

そして、不得意科目を作らないということが肝心です。

論文式試験でいうと、1科目でもが25点以下になってしまうと合格できません。

司法試験短答式の科目別概要と難易度

各科目の概要・特徴と難易度について、解説します。

司法試験短答式試験の合格率は、例年70~80%台で推移しています。

予備試験短答式試験は例年20%台のため、それに比べれば、司法試験短答式試験の合格率はかなり高い傾向にあるといえます。

中には正答率が25%を切る難易度の高い問題もありますが、正答率70%以上の過去問を繰り返し解いて、迷わず確実に解けるようになることが合格への近道です。

短答式では、選択肢の中の「正しいもの」「誤っているもの」など、どちらを選ぶのか読み間違えてしまったり、選択肢の文末が「である」「でない」などが混在していることもあり、選択肢を読んでいる間にどっちを選んでいるのか混乱してきてしまう場合がありますので、要注意です。

対策として、著者の場合「正しいもの」を選ぶ場合には、問題文の右に大きく「〇」を、「誤っているもの」を選ぶ場合には「×」を書いてミスを防ぐようにしていました。

民法

例年、36~37問程度出題され、満点は75点です。試験時間は75分です。

解答方法は、5択式のマークシートです。

1問2点の問題と3点の問題があります。部分点はありません。

論文式でも出題頻度の高い、法律行為(意思表示、代理など)・物権・債権のほか、必ずしも頻度の高くない、人・親族・相続を含めた幅広い分野から出題されます。

「判例の趣旨に照らし正しいもの(又は誤っているもの)を組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか」など、重要最判の正確な理解を求める問題が相当数出題されます。
範囲も膨大なので、極めて難易度が高いと言えるでしょう。

憲法

例年、20問程度出題され、満点は50点です。試験時間は50分です。

解答方法は、マークシートです。

1問2点の問題と3点の問題があります。

3点問題は、3問中2問正解で部分点1点が配点されます。

論文式試験では、圧倒的に基本的人権(13条から29条まで)から多く出題されるのに対し、短答式では、基本的人権だけでなく天皇や統治など、満遍なく出題されますので、論文対策よりも勉強の範囲を広くする必要があります。

「最高裁判所の判例の趣旨に照らして、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい」など、重要最判の正確な理解を求める問題が相当数出題されます。

憲法自体難易度が高いと言われがちですが、短答式は正確かつ詳細な知識が求められるため、点数が伸び悩む人も多いです。

刑法

憲法と同様、20問程度出題され、満点は50点です。試験時間は50分です。

解答方法は、マークシートです。

1問2点、3点、4点の問題があります。

4点問題は5問中4問正解で2点の部分点が与えられますが、その他は原則として部分点はありません。

総論、各論の幅広い分野から出題されますが、論文式試験との親和性は3科目の中で最も高いといえるかもしれません。

「各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか」など、重要最判の正確な理解を求める問題が相当数出題されます。

刑法については、他の科目に比べて特別難しいというわけではありませんが、落としてはならない問題が多く、正確性が求められます。

司法試験論文式の科目別概要

各科目の概要・特徴と難易度や勉強のポイント等について説明します。

設問ごとの配点割合が示されている科目(行政法、民法、商法、民事訴訟法)と示されていない科目(憲法、刑法、刑事訴訟法、選択科目)がありますが、配点割合が示されている科目については、各設問の答案の分量を配点割合に比例させるようにしましょう。

最初から上位合格を狙って「優秀」や「良好」を目指す必要はなく、全科目「一応の水準」の上の方(50点台)をそろえることを目指しましょう。

「一応の水準」は最低限書いて欲しい重要論点については一応書かれていると評価できる答案になります。

憲法

近年の出題傾向は、設問が2つで、設問1で原告の憲法上の主張や判例学説の考え方を示し、設問2でそれに対する被告の反論や私見を述べるというパターンです。

令和5年の出題では、行政法のように会話文のヒントが示されましたので、今後もしばらくその傾向が続く可能性があります。

論点落としがないようにするための考査委員のサービスですので、しっかり活用し、会話文で示された検討事項をそのまま答案構成に使いましょう。

具体的な事例については、憲法上の問題点を問う問題であり、13条から29条の基本的人権の分野からの出題が中心ですが、論文対策を基本的人権に絞ってしまうのは危険です。

因みに、著者は、司法試験本番で適正手続の論点について書き落としてしまいました。

行政法

問題文に各設問の配点割合が示されています。この場合、答案の分量も配点割合に比例させるようにしましょう。他の科目も同様です。

近年の出題傾向は、設問が2つで、設問1で取消訴訟その他の抗告訴訟の訴訟要件を、設問2で裁量論や手続違法などの本案について検討するというパターンです。

その他の特徴としては、【法律事務所の会議録】として、各設問に対するベテラン弁護士と新米弁護士や相談者の会話が示されており、この会話文に則って答案構成をすることが必須です。

採点シートもこの会話文に則って作成されていますので、絶対に会話文から離れてはいけません。

また、【資料】として、都市計画法、道路法といった個別法の条文が示されており、示された個別法の条文は答案にできるだけ引用することが求められます。

法だけでなく、その下位の施行令(政令)、施行規則(省令)、場合によっては要綱などの裁量基準も示されていることもありますので、これも全て使い切りましょう。

実は、大抵の場合、本案に関する最大の論点は、上位の法律よりも下位規範の条文の文言にあると考えてよいでしょう。

朝9時半から試験を受けていて、疲労している中、多くの資料を読むことになるので、答案構成に時間がかかってしまい、途中答案になってしまう受験生も相当数います。

民法

設問は3つ程度で、冒頭部分に各設問の配点割合が示されています。

【事実Ⅰ】から始まって事実がいくつかのまとまりになって書かれており、途中で設問が挟まれています。前の事実を使わない(前提としない)場合もありますので注意しましょう。

公法系と異なり、資料や会話文などは示されず、民法の条文解釈で答案を作成することになります。

具体的な事例について、民法上の問題点を問う問題であり、総則のうち法律行為(意思表示・代理)、物権、債権が出題の中心といえるでしょう。

商法

設問は3つ程度で、冒頭部分に各設問の配点割合が示されています。

民法と同様、事実がいくつかのまとまりになって書かれており、途中で設問が挟まれています。

公法系と異なり、資料や会話文などは示されず、民法の条文解釈で答案を作成することになります。

具体的な事例について、主に会社法上の問題点を問う問題であり、頻出の役員の損害賠償責任や株主代表訴訟などのほか、株式の発行、組織(事業譲渡や合併など)が主な出題範囲です。

ただ、やはり特定の分野に絞ってしまうのはリスクがあり、著者の受験した年には会社の設立が出題されて著者はほとんど書けませんでした。

百選判例は押さえておく必要があるでしょう。

民事訴訟法

設問は3つ程度で、冒頭部分に各設問の配点割合が示されています。

民法、商法と同様、事実がいくつかのまとまりになって書かれており、途中で設問が挟まれています。

1個の設問に「課題」が複数入っていることもあります。

資料はありませんが、問題文中に裁判官と司法修習生との会話でヒントが示されますので、このヒントに従って答案構成をしましょう。

他の科目は概ね判例を理解しておけば足りますが、民事訴訟法は争点効など、一部学説の理解もしておく必要があります。

具体的な事例について、民事訴訟法の問題点を問う問題であり、確認の利益、当事者適格、処分権主義、弁論主義、既判力といった基本概念の正確な理解を示すことが特に肝要です。

司法試験科目の中でも、刑事訴訟法とともに、とりわけ百選判例を中心に勉強する必要がある科目です。

刑法

近年の出題傾向は、設問が2から3つで、事例1から始まって事実がいくつかのまとまりになって書かれており、途中で設問が挟まれています。

民事系と同様、資料の添付はありません。

設問中に、設問に示された特定の犯罪の構成要件の充足性について検討する問題と、甲乙丙の罪責を検討する問題の両方が出題されるパターンです。

具体的な事例について、刑法上の問題点を問う問題であり、刑法総論、各論の知識が問われます。

行為者が複数いる場合には、共犯の検討が必要ですし、各論では、財産犯からの出題率が高いです。

甲乙丙の罪責を問う問題では、成立する犯罪を間違えないように注意しましょう。

因みに、著者は、本番で横領罪と窃盗罪を間違えてしまいました。

刑事訴訟法

出題傾向は、設問が2つで、事例1から始まって事実がいくつかのまとまりになって書かれており、最後に設問が書かれていた李、途中で設問が挟まっていたりします。

具体的な事例について、刑事訴訟法上の問題点を問う問題であり、捜査、訴因、証拠などが頻出分野です。

選択科目

第1問と第2問があり、解答用紙が分かれていますので、第1問用の解答用紙と、第2問用の解答用紙を取り違えないように注意しましょう。

また、第1問にばかり時間を割いてしまうと、第2問が途中答案になってしまいますので、第1問と第2問の時間配分も重要です。

まとめ

司法試験の勉強で大事なのは、基本的な概念に対する正確な理解です。

そして、司法試験は研究者ではなく、法曹実務家の登用試験ですから、学説の分析に熱心になるのではなく、条文を前提として、判例を正しく理解し、重要な部分を暗記して答案に書けることが肝要です。

勉強をする際にも必ず六法を手元に置いて条文を参照しながら基本書を読むとともに、重要な用語の定義や判例の判旨は自分なりに工夫して暗記するようにしましょう。

そして、不得意科目を作らないこと、満点を目指さず、満遍なくそれなりに得点することが合格への近道です。

立派なことは書かなくてもよく、既判力の定義など、普通の受験生が普通に書けることを正確に書いて、全科目「一応の水準」の答案をそろえれば合格することができます。

法律を勉強してみたいと思う皆さん、法律に興味がある皆さんは、臆せずに是非チャレンジしてみてくださいね! 

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