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予備試験の科目は?短答・論文・口述別の科目や試験内容について解説

予備試験

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予備試験の勉強を始めたいけれども、試験科目がどのような科目があるのかわからない、試験科目ごとにどのような試験対策をしたらよいのかわからない等、疑問に持たれている方も多いと思います。 

そこで、このコラムでは予備試験の試験科目について詳しくご説明するだけでなく、試験科目ごとの対策についてもご紹介します。

このコラムを読めば、予備試験の試験科目に関する疑問が解決するはずです。

ぜひ参考にしてみてください。

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予備試験の科目は?

予備試験は、短答式試験、論文式試験、口述試験の3つがあります。

短答式試験では、憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法の法律基本科目7科目に一般教養を加えた8科目。

論文式試験では、法律基本科目7科目に民事実務・刑事実務・選択科目の3つを加えた10科目。

口述式試験は、民事実務・刑事実務の2科目が出題されます。

例年出題される科目は固定されてますので、今後も上記に述べた試験科目が継続して出題されると思われます。

司法試験とは異なり、一般教養科目があること、民事実務・刑事実務科目が課されていることが特徴です。

予備試験の科目はどんな順番で勉強すればいい?

予備試験科目のおすすめの勉強順番は、民事→刑事→公法系の順番です。

まず何より民事系の基礎を先に固めることが大切です。

民事系は科目割合負担が大きく、特に民法の学習量が非常に多いです。

また、民法の理解があると他の科目の理解が進む傾向にあるため、効率よく学習をすることができます。

そのことからも、まずは民法から学習をし、商法や民事訴訟法、民事実務科目といった民事系の学習を先行して学習することがおすすめです。

その後は、刑事系の学習をするとよいでしょう。

刑事系の学習は比較的勉強しやすく、答案の枠組みも他の科目よりも理解しやすい傾向にあります。

そこで刑事系、特に刑法の学習を先に行うことで効率よく学習をすることができます(刑事訴訟法の学習も刑法の理解を前提にした方が理解が進みます)。

そして、最後に公法系の学習をするとよいでしょう。

公法系は、憲法と行政法のいずれも理解が難しい科目です。

特に、答案構成の枠組みも難しく、勉強するにあたっても一定の時間がかかります。

そこで、民事系と刑事系の学習を先にある程度終わらせたうえで、公法系の科目をじっくり学習することをおすすめします(公法系は他の科目と比較しても、イメージを持つことが難しいという受験生が多い印象です。そのため、民事系と刑事系の理解を前提に学習した方がよりイメージを持ちやすい傾向にあります)。

予備試験の科目別勉強時間は?

科目別の勉強時間は、人によって科目ごとの得意・不得意があるため、一概には言えませんが、資格予備校のアガルートの総合講義300では、以下のような勉強時間配分になっています。

勉強時間配分の参考にしてみてください。

法律の基礎知識

約4.5時間

憲法

約55時間

行政法

約33時間

民法

約62時間

商法

約31時間

民事訴訟法

約34時間

刑法

約46時間

刑事訴訟法

約35時間

また短答式試験と論文式試験、口述試験の3つがある予備試験において、学習時期などに応じて学習時間割合を調整することが大切です。

まずは、短答式試験の試験日の少なくとも2~3か月前までは、8割の勉強時間を論文試験対策に費やすことが重要です。

そして、短答式試験まで2~3か月と迫ったら、短答の勉強の比率を6~9割に増加させましょう。

つまり、短答式試験の直前はもちろん短答式ですが、基本は論文試験対策の勉強時間に割合を費やすべきです。

論文試験の学習は単に知識を入れ込むだけでは足りず、論証の書き方や実際に手を動かし、論述力を身に付ける必要があり、また、短答式試験よりもすぐに成績が伸びるわけでもありません。

必然的に、短答式試験よりも論文式試験の方が、学習時間を要します。

そのため、まずは論文式試験の学習をメインに行い、短答式試験が直前になったら短答式試験対策に切り替えるという流れがよいでしょう。

口述式試験は、論文試験が終わった後の対策で問題ありません。口述試験では、短答式試験及び論述式試験の理解と内容があれば、対策として十分です。

予備試験短答式試験の科目別概要と難易度

予備試験短答式試験の科目別概要と難易度について詳しくご説明します。

憲法

憲法は、司法試験だけでなく、予備試験においても判例学習が非常に大切です。

判例の規範はもちろん、判例の事例もきちんと理解することが大切です。

憲法の条文をみて頂けるとわかるように、憲法の条文それ自体はとても抽象的です。

憲法の条文だけをみても内容を理解することは難しく、短答式試験や論述式試験、口述試験のいずれにおいても、条文の理解を前提としたうえで、判例の理解が問われます。

また、試験問題では判例を題材にした問題も出題される傾向にあるため、より一層判例学習が大切になります。

民法

民法の学習は、何より出題範囲が非常に広いです。

条文だけでも1000以上の条文数があり、また、論点も多岐にわたり、事例問題では登場人物も多く事実関係を把握するのが難しい科目です。

さらに、民法の試験ではあまりメジャーな論点・分野ではないところからも出題されることがあります。

例えば、令和元年では法定地上権、令和2年では隣地通行権といったあまり主要ではない論点から出題されています。

そのため、論点による優先順位も大切ではありますが、論点漏れがないようにすべての論点について満遍なく学習することが非常に大切です。

したがって、予備試験・司法試験のいずれにおいても、民法はもっとも難解な試験科目であるといえます。

刑法

刑法は、答案の枠組みが定まっているため、答案作成しやすいです。

また、学説の対立や判例学習も重要です。最近の傾向では、判例や主要な学説からの立場だけでなく、異なる立場からの論述を求められる傾向にあります。

ですから、単に自説や判例だけを学習すればよいというものではなく、自説や判例を踏まえたうえで、さらに反対説をもしっかり論述することができるように準備しておくことが大切です。

試験科目の問題は、非常にオーソドックスな問題が出題される傾向にあります。

したがって、自説や判例に加え、反対説もしっかり踏まえ学習すればきちんと対策をすることができます。

商法

商法は、会社法からの出題がメインになります。

会社法は、民法と同様に条文素が非常に多いです。

もっとも、条文構造がわかれば理解しやすいですが、そもそも会社法が問題とする概念や取引きなど日常生活では登場しない言葉が多いため、イメージをするのが苦手な受験生が多い印象を受けます。

もっとも、その分、問題となる論点は基本的な問題や論点が多いため、そこまで難易度は高くありません。勉強するポイントさえ抑えてしまえば、安定した得点を獲得することができるでしょう。

民事訴訟法

民事訴訟法は、他の科目と比較して概念の理解を正確にしなければ、そもそも問題文で何が問われているのかすらわからないことになってしまう科目です。

そのため、概念の理解ができるかによって難易度が異なってきます。

例えば、既判力や当事者能力、当事者適格など、言葉の概念を正確に理解することが大切です。

概念の理解には、定義を正確に覚えること、そして、どのような場合に問題となるのかという具体的なイメージをもっておくことが大切です。

また、民事訴訟法は判例だけでなく、学説の対立も重要です。

判例を理解するためには、学説の対立点を理解しなければいけません。

ですので、判例と学説はセットで学習することが大切です。

刑事訴訟法

刑事訴訟法は、すべての論点から満遍なく出題される傾向にあります。

また、何よりも判例学習が非常に重要です。

特に判例の事実関係は原典にあたるなどして、きちんと精査して理解する必要があります。

他の科目と比べ、イメージがしやすい科目であることから、得意な方は安定して高得点を得ることができます。

行政法

行政法は、他の科目と比較して、イメージがつきにくい点が難しい科目です。

また判例学習が重要となります。

他の科目よりも学習すべき判例の量も多いため、学習時間を確保して勉強する必要があります。

一般教養

一般教養の学習は、範囲が非常に広いため、対策が難しい傾向にあります。

そのため、他の科目よりも対策するのが難しいです。

また、司法試験では出題されない科目ですので、あまり重点的に学習をするのではなく、あくまでも最低限度の学習さえすればよいです。

予備試験論文式の科目別概要と難易度

予備試験の論文式の科目別概要と難易度についてご紹介します。

それぞれの科目に応じて勉強すべき対策が異なりますので、きちんと傾向を掴んだうえで学習をすることが大切です。

憲法

憲法は、条文が少なく解釈が分かれることや判例が難解であること、出題形式が特殊であることから難易度が高い科目と言えます。

対策として、まず憲法では判例学習を正確に、重点的に行いましょう。

憲法の論述式問題では、判例を前提にした出題がなされることもあります(判例の事実関係を少し変えた問題も出題されることがあります。)。

そのため、判例学習が大切です。

判例学習の際には、判例の規範だけでなく、判例の事実関係も丁寧に拾って理解しましょう。

また、多くの受験生が忘れがちですが、憲法においても条文が大切です。

条文数は少なく、条文内容も抽象的な文言ではありますが、憲法であっても問題提起→規範→あてはめの順で論じることが大切です。

そして、単に問題提起をするのではなく、条文の文言に沿って論じることが重要になります。

いくら抽象的な文言であるからといって、条文を無視した論述は避けるべきです。

したがって、条文を前提に、判例学習も重点的に行う必要があります。

民法

民法では条文数が非常に多いですが、1つ1つ条文を理解することが重要です。

抽象的に学習するのではなく、条文をもとに、趣旨から丁寧に学習することが遠回りに見えて最も近道な学習法です。

また、民法で出題される論点はメイン論点だけでなく、あまり優先度が高くない論点についても出題される傾向にあります。

ですから、すべての論点について濃淡はあるとしても、満遍なく学習をする必要があります。

さらに、問題文の事実関係を整理する力も重要です。

民法の問題では、事実関係が複雑に入り込んでいることが多く、登場人物も多い場合もあります。

長文の問題を読むうえで、事実関係を整理することが大切です。登場人物の事実関係図を自分で記載しつつ、問題点や論点を抽出することが重要です。

刑法

刑法では、答案の枠組みが決まっているため、取り組みやすい科目です。

まずは答案の枠組みを理解することが大切です。構成要件→違法性→責任の順で問題になるところを丁寧に手厚く論じる必要があります。

また、近年の試験傾向では判例や自説だけでなく、他説から論じさせる問題が出題される傾向があります。

そのため、判例や自説だけでなく他説もしっかりと論じることができるように準備をしておく必要があります。

さらに、刑法では直近の判例学習をすることも大切です。

重要な判例が出た場合、予備試験においてもすぐに出題されることがありますので、近年の重要判例については判例百選や重要判例集などで学習しておく必要があります。

商法

商法は、会社法の出題がメインです。

会社法の問題は、事実関係が難解でイメージが湧きづらいため苦手意識を持っている方も多いと思います。

また、条文数も民法と同程度に多く、じっくり条文を読み込み、問題を読み解く必要があります。

そのため、会社法の問題でわからない概念があった場合はその都度、調べるなどして理解を深めることが大切です。

条文についても、一度通読しましょう。

条文間の関係性を理解することができると、条文の理解が進みます。条文数が多いと本試験で条文を探す際、時間が多くかかってしまい、最後まで問題を解き切ることも難しいです。

なるべく条文を探す時間を短縮するためにも、事前に条文の配置関係や関係性を理解し、どの場所にどの条文が配置されているのかについても、理解を深めておきましょう。

民事訴訟法

民事訴訟法では、抽象的な概念について正確な理解をすることが大切です。

民事訴訟法では特に抽象的な概念が問題文に出題されることが多く、そのような概念の理解が不足していると、問題文で何を論述すればよいのかわからなくなることもあります。

そのため、まずは抽象的な概念を丁寧に理解し、学習を進めましょう。

刑事訴訟法

刑事訴訟法は、判例の学習が重要です。

特に判例の事実関係を意識することが大切です。

問題文では判例の事案をベースにした問題が出題される傾向にあります。

判例学習では、規範はもちろんのこと、事実関係も丁寧に見ることで安定した得点を得ることができます。

行政法

行政法では、問題のイメージを理解することが難しいため、苦手意識を持っている方が多いです。

そのため、行政法ではまずは問題文の事実関係を丁寧に理解しましょう。

そして、行政法では特に行政事件訴訟法をメインに学習し、訴訟要件などといった条文を丁寧に理解する学習をしましょう。

民事実務

民事実務では、民事要件事実関係が大切です。要件事実は条文の理解からはじまります。

条文から、なぜそのような要件になるのかを丁寧に学習しましょう。

出題範囲が決まっており、取り組みやすさはありますが、細かい点を記憶しておかなくては点数が取れないという特徴もあり、難しいと感じる受験生も多いようです。

刑事実務

刑事実務は出題範囲が固まっています。

刑事実務では、刑事手続きを理解することが大切です。

こちらの理解が進んでいるかどうかによって、難易度の感じ方は変わってくるでしょう。

ですが、条文の内容を基本として学習を進めれば問題なく対策をすることができます。

選択科目

選択科目は、それぞれの科目によって選ぶべき対策や難易度が異なります。

選択した科目ごとに対策を練り、学習を進めましょう。

口述式の科目別概要と難易度

ここでは口述式の科目別概要と難易度について具体的にご説明します。

口述式試験では内容も大切ですが、それよりも問いに答えるという姿勢が大切です。

民事実務

民事実務での口述式では、多くの場合が要件事実が問われます。

そのため、実務経験がないとなかなか理解しづらいという難しさがあります。

また、民法の実体法の問題や民事執行法・保全法、法曹倫理の分野からも出題されます。

ですが、いずれも基礎基本的な問題が出題されることから、口述式の試験対策をする際にはベースとなる基本的な知識や論点をメインに対策をすることが重要です。

刑事実務

刑事実務では、基本的な事実問題が出題される傾向にあります。

もっとも、あまり長文な事実問題ではなく、短めの問題かつ基本的な論点が出題される傾向にあります。

ですので刑事実務の対策も、基本的な論点についての理解を丁寧にし、勉強を継続することができれば、きちんと受け答えをすることができるといえます。

まとめ

ここまで予備試験の科目について、詳しくご紹介しました。

科目によって対策の仕方や勉強方法が異なることがわかると思います。

ですので、まずは予備試験の科目について1つ1つ理解し、勉強を進めることが大切です。

いずれにせよ、条文の理解が重要で、判例学習や学説の理解を深めることが重要です。

科目数も多いため、計画的に、きちんと対策をしたうえで学習を進めましょう。

ぜひこのコラムを読んで頂き、予備試験に向けて対策を練って頂ければと思います。

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